主なスクリーンリーダーの特徴と比較

日本語版Windowsで使用できる「スクリーンリーダー」が開発されて世に出たのは、1996年に「独立行政法人、高齢・障害者雇用支援機構障害者職業総合センター」が企画・開発して「株式会社システムソリューションセンターとちぎ」(SSCT)から「95Reader」が発売されたのが最初です。

次いで2年後に、それまでMS-DOS上で画面読み上げソフトを発売していた、「(株)高知システム開発」と「(株)アクセステクノロジー」が共同で開発した「PC-Talker」と「VDMW」が、それぞれ発売されて、視覚障害者が音声環境でWindowsを使える環境が整ってきました。

また、2001年には「(株)日本IBM」から「日本語版 JAWS」が発売されました。現在では、日本IBMの代わりに「有限会社エクストラ 」が開発販売をしております。

現在、視覚障害者はこれらの「スクリーンリーダー」のいずれかをメインとして使用しているものと思われますので、以下にそれぞれの簡単な特徴を書いてみます。

95Reader Ver6

この「スクリーンリーダー」は、主に一般の市販ソフトやフリーソフトへの対応を目標として開発されています。
主な対応ソフトは、「Wz Editor」「MM エディタ」「MMメール2」「Office Word」「Office Excel」「Internet Explorer」「宛名職人」「e.Typist」「Viewing For 95Reader」などがあります。
合成音声エンジンは「リコー」のを使っており、音声のレスポンスが非常に良く、大量の文字入力などは快適に出来ます。
しかし、現在では開発が中止されていて、WindowsVista、Windows7には対応をしていません。

PC-Talker

これは、MS-DOS時代からの視覚障害者向けの音声ソフトのノウハウが生かされた「スクリーンリーダー」です。
このため、対応するアプリケーションソフトは、自社で開発した「MYWord」「マイメール」「アドボイス」「MyRead」などを中心に行われています。
これらのソフトは視覚障害者用に開発されたものであるために初心者には使い易さはありますが、一般ソフトに比べて汎用性に欠けているきらいもあり、また価格が高いのが難点です。
現在では、合成音声エンジンにペンタックスのVT+がつかわれていて、以前と違い人間の肉声に近い音声になっていますので、非常に聞き取りやすくなっています。
スクリーンリーダーの中では一番使用者の数が多いと思われます。

FocusTalk

開発が中止された95readerのコンセプトを引き継ぎ株式会社スカイフィッシュが作成したスクリーンリーダーです。
操作やショートカットは95Readerとほぼ同様です。
音声は、Version2.0では、少し癖がある音声でしたが、Version3では、肉声に近い落ち着いた女性音になっています。
また、officeの読み上げでは、PC-Talkerより優れているようです。

JAWS

これは、欧米のスクリーンリーダー「JAWS」の日本語版として、開発に視覚障害者も参加して作られたものです。
特徴として、スクリプトを書くことによって、色々なアプリケーションソフトに対応が出来ますが、パソコンの初心者には難しいのと、これ自身が高額なためもあり企業などでの使用が多く個人で使用している人は少ないようです。
音声合成エンジンは、「ドキュメントトーカー」等です。
購入時に付属しているスクリプトは、「Office Word」「Excel」「Outlook Express」「Internet Explorer」などです。

CatWalk

このスクリーンリーダーは、今までのスクリーンリーダーでは読めないところを読むようにしようと言うコンセプトで開発されているものです。
単体で使うよりも、PC-TalkerやFocusTalk等のスクリーンリーダーと併用すると大きな効果がでます。
ただし、初心者には操作が少し難しいかもしれません。
また、単体では、音声エンジン(ドキュメントトーカー、プロトーカー等)を別途用意する必要があります。

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