初めてパソコンを使おうと思う視覚障害者が、最初にぶつかる大きな壁は、キーボードのキー配列を覚えることです。
この問題と、ローマ字入力を同時にマスターする簡単な方法を書いておきます。
これは、八王子市で行われている視覚障害者向けパソコン講習会の初心者コースで、10年も行われていて、かなり実績を上げている方法です。
タッチタイピングの基礎は、キーボードに指を置く位置が決まっていることです。
人差指、中指、薬指、小指をそれぞれ左手は[F]、[D]、[S]、[A]に、右手は[J]、[K]、[L]、[;]に、両手の親指は[Space]キーに置きます。
この指の位置を、「ホームポジション」と言います。
このホームポジションを簡単にとる方法は次のようにします。
(文章で書くと大変ですが、実際にやれば簡単です。)
何回か練習をすれば、すぐに出来るようになります。
MyEditなどのエディタを起動します。
[半角/全角]キーを押してIMEを「変換停止」にします。
各指はキーボード上を縦に移動させます。
たとえば、右手の中指は、上が[I]、中が[K]、下が[,]、上の上が[8]です。
これらの文字キーは右手の中指以外では打ちません。
とりあえず上の上の「段」を除いて上、中、下の「段」への各指の動かし方を練習します。
キーボードのキー配列は、各段でキーが半分ずつずれて配置されていますので、上の段はキーの半分だけ左にずれます。
また、下の段はキーの半分だけ右にずれるのを注意します。
この段階では各指の担当するキーの名称を覚える必要はありません。
各指が「上、中、下」とスムースに動くように練習をします。
10分間ぐらい練習すれば、各指がスムースに動くようになると思います。
(薬指と小指は動かしにくいので、よく練習します。左右の人差し指だけは、それぞれ[F]と[J]の内側の列も担当します。)
各指がある程度スムースに上、中、下と動くようになりましたら、次はローマ字入力の練習をします。
まず、母音の「あ」「い」「う」「え」「お」の入力の練習をします。
次のようにします。
[半角/全角]キーを押してIMEを「日本語変換」にします。
「あ」を入力するのには、「ホームポジション」の位置から、左の小指を「トン」と押します。
「い」を入力するのには、「ホームポジション」の位置から、右の中指の上を「トン」と押します。
「う」を入力するのには、「ホームポジション」の位置から、右の人差指の上を「トン」と押します
「え」を入力するのには、「ホームポジション」の位置から、左の中指の上を「トン」と押します。
「お」を入力するのには、「ホームポジション」の位置から、右の薬指の上を「トン」と押します。
ホームポジションの位置のままで、各指を動かして、「あいうえお」がスムースにタイピングできるようにします。
(2回ぐらい繰り返し入力したら[Enter]キーを押して文字を確定します。)
キーボードのキーは、軽く「トン」と押します。
押し続けると、そのキーの文字が連続して沢山入力されてしまいます。
次は、以下の「指とキーの対応表」にしたがって「子音」を添えて行きます。
例えば、か行の「K」は、右手の中指です。
この方式で練習をしますと、キーボードのキー配列を全て暗記しなくても、ローマ字入力が出来ます。
母音の「あ」[A]:左の小指。
母音の「い」[I]:右手の中指の上。
母音の「う」[U]:右手の人差指の上。
母音の「え」[E]:左手の中指の上。
母音の「お」[O]:右手の薬指の上。
か行の[K]:右手の中指。
さ行の[S]:左手の薬指。
た行の[T]:左手の人差指の上の右。
な行の[N]:右手の人差指の下の左。
は行の[H]:右手の人差指の左。
ま行の[M]:右手の人差指の下。
や行の[Y]:右手の人差指の上の左。
ら行の[R]:左手の人差指の上。
わ行の[W]:左手の薬指の上。
が行の[G]:左手の人差指の右。
ざ行の[Z]:左手の小指の下。
だ行の[D]:左手の中指。
ば行の[B]:左手の人差指の下の右。
ぱ行の[P]:右手の小指の上。
じゃ行の[J]:右手の人差指。
読点[,]:右手の中指の下。
句点[.]:右手の薬指の下。
アルファベットのキーを覚えるのは、ホームポジションを取って、一日に一本の指の担当するキーを覚えて行きますと、一週間ぐらいで覚えられることになります。
各指の担当するキーは3つしかありません(人差し指はよく動くので6つのキーを担当します)。
欲張らないで、一日に一本の指に対応するキーだけを完全に覚えるようにします。