3-10 文字列の関数(半角/全角変換)

数値を計算するには関数を使うと便利でしたが、文字列を操作する関数も用意されています。ここでは例として、半角文字を全角に、全角文字を半角文字に変換してみます。
これは住所録の「郵便番号」や「番地」の項目などで、半角文字(1バイト文字)と全角文字(2バイト文字)が混在している場合がよくあります。これを全角や半角に統一するときに使います。
サンプル住所録の「郵便番号」を使って行なってみましょう。

[全角を半角に変換する]

使用する関数は「ASC」関数を使います。メニューバーの「挿入(I)」の「関数」で[ASC]を見つけて「ヘルプ」を出して調べて下さい。
書式には次のように書いてあります。
ASC(文字列)
文字列 文字列または変換する文字列を含むCellの参照を指定します。文字列に全角文字が含まれない場合は、文字列は変換されません。

1.開いている「サンプル住所録」の「郵便番号」と「都道府県」の項目の間に、列を1列挿入します。選択されている列の左側に新しい列が挿入されますので、今回は「都道府県」の列のCellを選択しておきます。(列の挿入方法は、第1章の「1-8シート、列、行の追加と削除」を参照して下さい。)

2.新しく出来た空白のE列の[E2]のCellを選択します。

3.次の計算式を書きます。
=ASC($D2)
行は相対参照にします。

4.[E2]の式を[Ctrl+C]でクリップボードにコピーします。

5.計算式を書いた[E2]のCellを含めて、D列でデータが記入されている行までを範囲選択します。D列のデータが50行まであるとすれば、[E2]から[E50]までを範囲選択します。
範囲選択をするのに[Shift]キーを押しながら[下カーソル]キーを50回押すのは大変なので、次のようにします。
(1)D列のCellを選択して、[Ctrl+下カーソル]キーを押します。D列で、データが入力されている最終行にジャンプします。

(2)[右カーソル]キーを一度押してE列に移動します(今回は[E50]になります)。

(3)[Ctrl+Shift+上カーソル]キーを押します。[E1]から[E50]までが範囲選択されます。

(4)[Shift]キーを押しながら[下カーソル]キーを1度押すと、「E2からE50」と読み上げが行なわれて、[E2]から[E50]までのCellが範囲選択されたことが分かります。

6.[Alt],[E]キーを押してメニューバーの「編集(E)」のプルダウンメニューをだします。

7.[下カーソル]キーで「形式を選択して貼り付け(S)」を選択して[Enter]キーを押します。

8.[上下カーソル]キーで「数式」を選択して[Enter]キーを押します。

E列にD列のデータの内で、全角で記入されていたものが半角に変換されて表示されます。

ここで元のD列が不要だと思って削除してしまうと、E列にはD列の値を参照した数式が入っているので、E列の数式中のCell参照が無効となってしまいます。そこでE列の結果をD列に値のコピーをしてからE列を削除する操作を行います。

9.改めて、[E2]から[E50]までのCellを選択します。([E2]Cellを選択して[Ctrl+Shift+下カーソル]キーを押します)。

10.[Ctrl+C]キーを押してクリップボードにコピーします。

11.[D2]のCellを選択します。

12.[Alt],[E]キーを押してメニューバーの「編集(E)」のプルダウンメニューを出します。

13.[下カーソル]キーで「形式を選択して貼り付け(S)」を選択して[Enter]キーを押します。

14.[上下カーソル]キーで「値」を選択して[Enter]キーをおします。

15.半角に訂正された郵便番号がD列に貼り付けられます。
注意としては、貼り付けを行なうときの先頭Cellを間違わないで下さい。今回の場合は、必ず[D2]Cellを選択します。先頭のCellを間違えると、郵便番号と市区町村のずれが生じてしまいます。

16.E列を削除します。削除の仕方は、第1章の「1-8シート、列、行の追加と削除」を参照して下さい。

これで、郵便番号の列は全部半角文字になりました。

[半角文字を全角に変換する]

1バイト文字を2バイト文字に変換する関数は「JIS]関数です。
ですから、上の手順の中で計算式を次のように変えます。
=JIS($D2)

行なってみて下さい。
XP-Readerはなめらか読みで、初期値では半角と全角を区別して読みません。ですから、半角文字と全角文字が混在していても気が付きません。(設定によっては、半角と全角を女性の声と男性の声に分けて読むようにすることも出来ます)。


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