4-1 どんな小遣い帳を作るか

Excelのファイルは、ただ単にデーターを記入するだけのものではなくて、そのファイルを作る時に、どんな機能を持ったファイルにするかを設計することが重要です。

まず、始めに考えをまとめておきましょう。
今回はお小遣帳をテーマにしますので、皆さんもここで、自分の小遣帳はどのようなものにするかを考えてみて下さい。頭の中だけで考えるのではなくて、箇条書きにすると良いと思います。

[どんな小遣帳にするか]

今回ここでは、次のような「小遣帳」にします。

1.記録は「出金」だけとして、「入金」は記録しない。つまり「貸借対照表」は作らない。

2.科目をもうけて、科目別の集計が出来るようにする。
科目には次のような項目を設けます。
食費、嗜好品費、日用品費、光熱費、電話・通信、居住費、保険料等、教育費、被服費、清潔費、医療費等、住居費、教養娯楽費、移動費、雑費、その他
(自分に必要な物は追加し、不必要なものは削除して下さい)。

3.記録だけのシートを作り、そこから必要なデータだけを抽出して計算をするようにする。

4.指定した日付範囲のデータの抽出が出来て、金額の合計が出るようにする。

5.指定した日付範囲の科目別の合計も出るようにする。

6.毎月の予算額を決めて、残額が出るようにする。

[出金記録シートの作成]

まず、実際に出金を記録するシートを作ります。

1.Excelを起動して、新しい「Book1」を開きます。

2.一行目に次の項目名を入力します。
Cell[A1]に「日付」、Cell[B1]に「科目」、Cell[C1]に「品目」、Cell[D1]に「金額」、Cell[E1]に「合計」。

3.A列の書式を設定します。
(1) 日付データは列幅が足りませんと[#####]のエラーになりますので列幅を[14.35]に設定します。

(2) A列のCellの表示形式を「日付」に変えます。
Cell[A2]を選択して、[Shift+Ctrl+下カーソル]キーでCell[A2]から[A65536]までを範囲選択して[Ctrl+1]キーでCellの書式設定ダイアログを開きます。「表示形式」の「分類」を「日付」にします。
日付の「種類」は好みのもので良いのですが、[2001年1月1日]にするとスクリーンリーダーの読みが分数読みになったりしません。

4.「科目」のCell[B2]からCell[B65536]に、科目のリストを設定しておきます。
科目をその度に入力すると、文字列の入力間違いをすることがあり、後で、科目別の絞り込をしたときに、正確な集計が出来ません。
科目名のリストは、エディタなどで半角カンマで区切ってあらかじめ書いておき、それをリストの設定ダイアログにコピーすると簡単にできます。
上の科目名の書式は次のようにカンマで区切って書きます。
食費,嗜好品費,日用品費,光熱費,電話・通信,居住費,保険料等,教育費,被服費,清潔費,医療費等,住居費,教養娯楽費,移動費,雑費,その他

5.C列が選択されたときに、IMEを自動的にOnにする設定をしておきます。
この設定をしておくと、品目を入力するC列でいちいち[全角/半角]キーを押す必要が無くなります。
(1) Cell[C2]からCell[C65536]を範囲選択します。

(2) [Alt],[D]キーを押して「データ(D)」のプルダウンメニューをだします。

(3) [下カーソル]キーで「入力規則(L)」を選択して[Enter]キーを押します。

(4) ダイアログボックスの「日本語入力」のタブを選択します。

(5) [Tab]キーでプルダウンメニューに移動して[上下カーソル]キーで「オン」に変更します。

(6) [Tab]キーで「OK」まで行き[Enter]キーを押します。
これでC列のCellを選択したときにはIMEが自動的にOnになります。
B列もリストを設定しないのであれば、この設定をしておくと便利です。

6.Sheet名を変更します。
Sheet名はデフォルトで[Sheet1]になっているので、わかりやすいSheet名に変更します。今回は[出金記録]とします。
(1) [Alt],[O]キーを押してメニューバーの「書式(O)」のプルダウンメニューを出します。

(2) [下カーソル]キーで「シート」を選択します。

(3) サブメニューの「名前の変更」を選択して[Enter]キーを押します。

(4) 画面の下のSheet名が選択されるので、IMEをOnにして「出金記録」と入力して[Enter]キーを押します。

(5) [Ctrl+PageDown]キーと[Ctrl+PageUp」キーを使って、Sheet名が正しく変更されたかどうかを確認します。

この「出金記録」Sheetに少なくとも20ぐらいのデータは入力しておいて下さい。
また、ファイル名を「小遣帳」として「マイドキュメント」に保存しておいてください。


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