Kzemi講座29 行と段落の違い

パソコンのワープロソフトやエディタ、メールソフトなどで文章を書く時に、この「行」と「段落」の違いが分かっていないと、出来上がった文章の体裁が乱れてしまうことがあります。パソコンのワープロソフトなどで言う「段落」とは、改行から改行までを言います。

これで説明は終わりなのですが、これでは分からないと思いますので、詳しく書きます。まず、画面の左端、つまり行頭から文字を入力して文章を書き始めます。今、120文字を書いて、[Enter]キーを押して改行したとしますと、この120文字が「段落」と言う事になります。

次は「行」の説明です。

パソコンの「行」には「論理行」と「表示行」の2種類があります。「論理行」は改行から改行までを言います。つまり、「段落」と同じです。「表示行」とは、画面上の1行の事を言います。普通はこの「表示行」の事を「行」と言っています。

なぜ、このように面倒な事になっているかと言いますと、次のような理由によります。上の120文字の文章を例に取ります。パソコンのワープロやエディタの画面は、通常は1行で表示できる文字数は日本語(全角)で40文字ぐらいです。

いま、画面の左端の行頭から、文字を入力し始めると、40文字を超えた文字は、画面の右端からはみ出して見えなくなります。スクリーンリーダーの利用者は、画面の右端に文字が隠れても、読み上げてくれますので何の不自由も無いのですが、眼の見えるかたが、この隠れた文字を見るのには、画面の下にある「横スクロールバー」をマウスでクリックするかカーソルを移動してゆかないと見る事は出来ません。これは、大変不便です。そこで、文章を書くソフトでは、文字が画面の右の端に来た時には、自動的に左端に折り返す機能が付いています。上の文章では、40文字が表示出来る画面では、自動的に3行になります。30文字が表示出来る画面では、4行になります。つまり、1論理行は画面の設定によって、表示される行数が変わります。

文章を書いていて[Enter]キーを押して改行した時は、その論理行(段落)の最後には「改行コード」が入ります。「表示行」(行)の後には、この改行コードがありません。ですから、画面の表示文字数の設定により、自動的に行数は変わります。

さて、メールソフトの場合ですが…。
メールソフトはメールを送信する都合上、送信するときに1行の文字数を設定してあります。MMメール2では、初期値では半角で72文字になっています。日本語(前角文字)では36文字になります。そして文章を書いたときの論理行が36文字を超える場合でも、36文字で改行コードが自動的に入ります。つまり送信したメールの1論理行は36文字に固定されます。

そして、このメールを見る時の画面が35文字しか表示出来ないときは、35文字で折り返して、残りの1文字は次の行に行きます。そして文字の後には改行コードが入っていますので、改行します。つまり2行目は1文字だけとなります。これを解決するのには、メーラーの画面の文字の表示数を多めに設定しておけば解決しますが、なかなか単純には行かない問題もあります。

自分は、半角で72文字で送っていますが、ほかの人は76文字の設定で送っている方もいます。76文字で送られてきたメールを見るときは、自分のメーラーの表示設定は76文字以上でないと、折り返しがちゃんと表示しません。また、引用文の>(ダイナリ)が挿入されたときも1文字多くなります。

また、MMメール2の場合は、書きかけのメールを、いったん草稿箱に保存すると、その時点で、設定した文字数で改行コードが入りますので、後で訂正したときにも、次の行が、数文字しかないことになってしまいますので、気を付けなければなりません。

また、この改行コードの問題は、メールの本文に書かれている、URLを開くときにも問題になります。つまりURLが2行になっている場合は、1行目の行末に改行コードが入ってしまっていますので、この改行コードを削除して、行を続けないと、そのURLを開くことが出来ません。

私は、メーラーの表示文字数を80文字(半角)に設定しています。
皆さんも、いろいろと設定を変えて見て試してください。

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