2-2 Cellの入力に制限を設ける(入力規則)

Excelはデータが入力されているCellで、文字キーを押すとデータが上書きされてしまいます。
視覚障害者は、このミスを非常に多く行ないますので注意が必要です。そこで、入力する値の範囲が決まっている場合は、無効な値は入力できないように制限しておくと便利です。
例えば試験の成績表などで、点数を0から100の間でしか使わない場合に、1000を入力するような間違いを防止することができます。

ここでは、Cellに不要なデータが入力出来ないように、Cellに入力規則を設ける方法を書きます。

1.入力規則を設定するCellを選択します。複数のCellに設定する場合は、範囲選択をします。

2.[Alt]キーを押してメニューバーの「データ(D)」を選択して、[下カーソル]キーで、プルダウンメニューを出します。

3.[下カーソル]キーで「入力規則(L)」を選択して[Enter]キーを押します。

4.ダイアログが開きます。「設定」のタブが選択されていると思いますが、もし選択されていなければ[Ctrl+tab]キーで「設定」のタブに移動します。

5.[Tab]キーを一度押して、「入力値の種類(A)」のコンポボックスへいきます。

6.[下カーソル]キーを押すと、次のリストがでます。
「すべての値」
「整数」
「小数点数」
「リスト」
「日付」
「時刻」
「文字列(長さ指定)」
「ユーザー設定」

[整数]

「0」から「100」までの入力規制をする場合、以下のように入力値の範囲を設定します。

1.「入力値の種類(A)」で[上下カーソル]キーで「整数」を選択します。

2.[Tab]キーを一度押して、「データ(D): 次の値の間」を選択します。

3.[Tab]キーを一度押して「最小値(M):」を選択して、上記の試験の点数の場
合は、[0]を入力します。

4.[Tab]キーを一度押して、「最大値(X):」を選択して、上記の試験の点数の
場合は[100]と入力します。

5.[Tab]キーを押して「OK」まで行き[Enter]キーを押します。

6.これで「0」から「100」以外の数、例えば「1000」と入力すると、以下のメッセージが出ます。
「Microsoft Excelの重大メッセージ 入力した値は正しくありません。ユーザーの設定によって、セルに入力できる値が制限されています。[R]は再試行、エスケープは キャンセル」

7.[Esc]キーを押すとこのメッセージを閉じ、元のCellの値は消去されるので、正しい値を入力し直します。

8.[R]キーまたは[Enter]キーを押すと正しい値が入力されるまでエラーメッセージがでます。

これでデータの入力ミスが少なくなります。

またエラーメッセージは、自分の好きなメッセージにしたり、注意メッセージや情報メッセージに変更することもできます。注意メッセージや情報メッセージの場合は、入力された値が無効なことを、知らせるだけで、無効な値の入力を許可します。

[リスト]

もう一つ、便利な入力規則を書いておきます。入力する数字が、500、1000、1500、2000に制限する場合は、「リスト」を設定すると、キーボードから入力しなくても、リストから選択できます。

1.「入力値の種類(A)」で[上下カーソル]キーによって「リスト」を選択します。

2.[Tab]キーを一度押します。「元の値(S):」と言いますので、ここに必要なリストを書きます。
上の例では、「500、1000、1500、2000」という具合に、各数値を[,](コンマ)で区切って書きます。

3.[Tab]キーを押して、「ドロップダウンリストから選択する(I)」を選択して[Space]キーでチェックを入れます。

4.[Tab]キーを押して「OK」まで行き[Enter]キーを押します。

5.「リスト」を設定したCellを選択します。

6.[Alt+下カーソル]キーを押すと、設定されているリストがでます。
今回の場合は「500、1000、1500、2000」と出ますので、[上下カーソル]キーで入力したい値を選択して[Enter]キーを押します。選択した値がCellに入力されます。
また、データベース編でも書きますが、文字列も設定できますので、都道府県名を全部書いておくと、そこから入力ミスなしで都道府県名が選択入力できます。ただし、このリストは、PC-Talkerは読みません。

7.キーボードからリストに無い値を入力すると、エラーメッセージが出ます。
「Microsoft Excelの重大メッセージ 入力した値は正しくありません。ユーザーの設定によって、セルに入力できる値が制限されています。[R]は再試行 エスケープはキャンセル」
(このエラーメッセージの内容は、変更できます。)

8.[Esc]キーを押して、このメッセージを閉じます。

9.[Alt+下カーソル]キーを押してリストを出し、入力したい値を選択して[Enter]キーを押します。

このリストでの入力を使いますと、文字列で集計を取る場合などの時に、入力ミスで集計が違ってしまうことを防げます。


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