2-4 入力できるCellを制限する(WorkSheetの保護)

ExcelのCellの値は、簡単に削除したり書き換えたりできます。これはExcelの特徴ですが、視覚障害者には少し困る場合もあります。視覚障害者は、誤ってCellの値を削除してしまったり、書き換えてしまっていても気づかずにいる場合があります。
このミスを防止するために、変更してはいけない値が入力されているCellを簡単に書き換えられないように、保護しておくことができます。

初期値では、全てのCellが「ロック」状態になっていますので、ロックを解除しないでWorkSheetの保護をすると、全てのCellが入力不可となります。そこでまず、データを入力してもよいCellだけを「セルの書式設定」でロックを解除しておいてから、その後WorkSheet全体を保護します。

1.まず、データ値を入力するCellを範囲選択します。

2.[Alt],[O]キーを押してメニューバーの「書式(O)」のプルダウンメニューを出します。

3.[上下カーソル]キーで「セル(R)]を選択して[Enter]キーを押します。

4.Cellの書式設定の画面が開きます。
(ここまでの操作は[Ctrl+1]ショートカットキーでできます)
[Ctrl+Tab]キーを数回押して「保護」のタブに移動します。

5.[Tab]キーを押して「ロック(L)」を選択して[Space]キーを押してチェックを外します。

6.[Tab]キーで「OK」まで行き[Enter]キーを押します。

7.Excelの画面に戻るので、[Alt],[T]キーを押してメニューバーの「ツール(T)」のプルダウンメニューを出します。

8.[上下カーソル]キーで「保護(P)」を選択して[右カーソル]キーでサブメニューを出します。

9.[上下カーソル]キーで「シートの保護」を選択して[Enter]キーを押します。シートの保護のダイアログがでます。

10.[Tab]キーで「シートの保護を解除するためのパスワード(P)」に行き[Enter]キーを押すと、保護を解除するパスワードも設定できます。しかし、このファイルを共同で使用して、保護されたデータを管理者以外が変更できないようにするなどの場合のほかは、パスワードは設定しない方が良いと思います。
11.[Tab]キーで「OK」まで行き[Enter]キーを押します。

12.これで「セルの書式設定」で保護のロックを解除したセル以外に値の入力をすると、次のメッセージがでます。
「変更しようとしているセルまたはグラフは保護されているため、読み取り専用となっています。保護されているセルまたはグラフを変更するには、[ツール] メニューの [保護] をポイントし、[シート保護の解除] をクリックして保護を解除します。パスワードの入力を要求されることもあります。」

13.[ESC]キーを押して、このメッセージを閉じます。

14.データ値が入力できるCellは、[Tab]キーでジャンプ選択ができます。この場合の[Tab]キーは便利ですので、ぜひ使ってください。

15.保護されたデータを変更したい場合は、[Alt],[T]キーを押してメニューバーの「ツール(T)」のプルダウンメニューを出します。

16.[上下カーソル]キーで「保護(P)」を選択して[右カーソル]キーでサブメニューを出して「シート保護の解除」を選択して[Enter]キーを押します。(パスワードが設定されている場合は、パスワードを入力します。)

これで、全部のCellのデータが変更できます。

このシートの保護は、例えばシートにある項目名などを変更しないようにするとか、領収書などで、相手の名前と金額だけを入力するだけで自分の名前や住所などは変更しないシートなどに利用できます。

視覚障害者は、このシートの保護を利用して、変更してはいけないデータを誤って変更しないようにしておくと良いと思います。


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