2-7 計算式のコピー(相対参照、絶対参照)

ExcelのCellに入力されている「数式」をコピーしてみましょう。

1.まず、前項で保存した「keisannsho」をマイコンピュータで選択して[Enter]キーを押して開きます。

2.次の入力をします。
A4に「プリンター」、B4に「16000」、C4に「1」、D4に「30%」
A5に「スキャナ」、B5に「9000」 、C5に「1」、D5に「0%」

3.E4とE5に計算式を書きます。でも、新たに書くのは面倒なので、E2の計算式をコピーします。

4.E2のCellを選択して、[Ctrl+C]でコピーします。

5.E4とE5のCellを範囲選択します。

6.[Alt],[E]キーを押してメニューバーの「編集(E)」のプルダウンメニューを出します。

7.[上下カーソル]キーで「形式を選択して貼り付け(S)」を選択して[Enter]キーを押します。

8.ダイアログが出ますので、[上下カーソル]キーで「数式」を選択して[Enter]キーを押します。

9.CellE4とE5を[カーソル]キーで選択して数式を確認してみて下さい。

計算結果はあっていましたか?

[相対参照]
少し変だと思いませんか?
コピーした数式は
=(B2*C2)*(1-D2)
だったはずです。
E4に書かなければいけない計算式は
=(B4*C4)*(1-D4)
ですよね。なぜ、正しい結果が出ているのでしょう?
貼り付けられた計算式を見てみましょう。

1.E4のCellを選択して[F2]キーを押します。計算式の編集モードになります。カーソルが行末に有ります。

2.[上カーソル]キーを押しますと、計算式を読み上げます。計算式の参照Cellが、=(B4*C4)*(1-D4) という具合に正しく変わっています。

この計算式に書かれている参照Cellの列名と行番号の組み合わせの、「B2」などの書き方を「相対参照」といいます。
E2のCellに書かれた、=(B2*C2)*D2の計算式で説明しますと、計算式の書かれたE2のCellから見て、D2のCellは、「一つ左のCell」、C2は「二つ左のCell」、B2は「三つ左のCell」になります。
つまり、計算式に書かれた、B2と言う参照Cellは「B列の2行目Cellを表しているのでは無くて、計算式の書かれた、E2のCellからみて、「左に三つ目のCell」という意味なのです。
ですから、=(B2*C2)*D2を、E5のCellに貼り付けますと、E5から見て「左に三つ目のCell」はB5に、「二つ目のCell」はC5に、「左に一つめのCell」はD5になります。
そこでE5に貼り付けられた計算式は、
=(B5*C5*)*(1-D5)
と自動的に変わります。
この計算式の参照Cellの書き方を「相対参照」と言います。
この「相対参照」は、理解しにくいのでF3に書かれた、合計の計算式でもう一度同じ説明をします。
F3には
=E2+E3
と言う計算式が書かれています。
これは、F3から見て「左に一つめのCell」と「左に一つめのCellの一つ上のCell」を加算すると言う意味です。
このCellをF5にコピーすると、F5のCellから見て「一つ左のCell」はE5になります。「一つ左の一つ上のCell」はE4になります。
ですから、貼り付けられた計算式は
=E4+E5
となります。

でもこのCellには、本当は次のように書かなければいけないのです。
=E2+E3+E4+E5
この操作を簡単に行なうには「関数」を使うと出来ます。「関数」を使った計算式は次の項で書きます。

[絶対参照]
「相対参照」は便利ですが、困る場合も有ります。
F5に書かれている計算式を、H5にコピーして合計をこのCellにも表示したいときに、上の方法でコピーしますと、H5のCellの数式は次のようになります。
=G2+G3+G4+G5
G2からG5までには、値が入力されていませんので、H5の値は「0」になります。
これでは困ります。
では、F5のCellの計算式を任意のCellにコピーしても、E2からE5までの加算を計
算する式はどのように書いたらよいのでしょうか。

計算式がどのCellにあっても、参照するCellが絶対に変わらない参照の仕方を「絶対参照」と言います。
参照するCellのAddressの書き方を次のようにします。
例えばE2のCellを「絶対参照」する場合は、$E$2 と列名と行番号の前に[$]を付けます。[$]の入力は[Shift+4]キーで出来ます。
ですからF5の計算式は
=$E$2+$E$3+$E$4+$E$5
と書きます。
この計算式の書き方を「絶対参照」と言います。

この式は、参照Cellが絶対参照になっていますので、H5にコピーしても、E2からE5のCellの値を加算した結果を返します。
「絶対参照」をしたいときは、列番号と行番号の前に[$]を付けると覚えておいてください。

記述した相対参照の計算式を絶対参照に変更したいとき、簡単に$を付加することができます。
計算式のCellを[F2]キーで編集状態にして、番地の書いた部分にカーソルを移動して[F4]キーを押すと、番地の行列それぞれの前に[$]が付加されます。(例「$E$3」)
[F4]キーを2回押すと、番地のうち行だけに[$]が付加されます。(例「E$3」)
[F4]キーを3回押すと、番地のうち列だけに[$]が付加されます。(例「$E3」)
ただし、[F4]キーを押した直後は、スクリーンリーダーは読み上げませんので、カーソルキーで正しく入力されたかどうかを確認して下さい。


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