2-8 計算式の書き方(関数・参照の書き方)

Excelには、よく使う計算式をそれぞれまとめたものに「Excel関数」というものが有ります。
これは、計算式に英文字の名前を付けたもので、その名前を書くだけで、計算式を書いたのと同じ結果が得られるという便利なものです。
またデータの個数を数えるとか、最大値を求めるとか、単純な計算式では求められないものを一変に求めることもできます。Excelには、約340位の関数が用意されています。

具体的に説明をします。
「keisannsho.xls」のF列の合計を計算する式を書こうとすると、E列の小計の値を一つずつ加算する式を書かなければいけません。
今まで練習した方法ですと、
「=$E$2+$E$3+$E$4+$E$5」
と書かなければなりません。
しかも、買い物がどんどんと増えてゆくと、E列のCellを100も200も足してゆく計算式を書かなければならなくなります。
これでは大変なので、参照Cell範囲の合計を求める関数の「SUM」を使います。
答えを先に書いておきます。
「=SUM($E$2:$E5)」
となります。
これで、この式を他の列のどの行のCellにコピーしても、E列2行目から関数式を書いた行までのE列の値を合計します。
最後が[$E5]と行だけが「相対参照」になっていることに注目して下さい。これによって品物が増えて行が追加されても、関数式を修正する必要がなくなります。

[関数式の書き方]

選択したCellに関数式を書くのには、通常Excelのメニューバーの「挿入(I)」の「関数(F)」から関数ウィザードを起動して行います。しかし、この方法ですと条件文を含むような複雑な関数式が書けませんし、また、スクリーンリーダーでも使いにくい難点がありますので、ここではCellに直接入力する方法を書きます。
また計算式を書く場合は、始めにどのような計算式にするかを考えなくてはなりません。ですから、関数ウィザードを使って計算式をつくるより、直接入力になれておくことをおすすめします。

まず、どのような関数があるのかを知らなければなりませんが、計算に使う主な関数は、次項で書いておきますので参考にして下さい。
ここでは、上記の[SUM]関数を例にとって関数ウィザードを使う方法を説明します。

1.Excelで[Alt],[I]キーを押して「挿入(I)」のプルダウンメニューを出します。

2.[下カーソル]キーで「関数(F)」を選択して[Enter]キーを押します。関数ウィザードが出ます。

3.[Tab]キーで「関数の分類(C):」を選択して[上下カーソル]キーで「数学/三角」を選択します。

4.[Tab]キーを押して「リスト」を選択して[上下カーソル]キーで[SUM]を選択します。この時、頭文字の[S]キーを押すと、「S」で始まる関数に飛びますので早く見つけられます。

5.[Tab]キーを押して「ヘルプ」を選択して[Enter]キーを押します。
注意:Excel2000をお使いの方は、この操作をしないで[F1]キーを押します。

6.[SUM]のヘルプが表示されます。このヘルプを読んで、この関数の使い方を覚えます。

ヘルプの説明をします。
このヘルプを[Ctrl+A],[Ctrl+C]でクリップボードにコピーして、[Ctrl+V]でエディタなどに貼り付けて、詳しく読むと良いと思います。

1.「セル範囲に含まれる数値をすべて合計します。」
※これが、SUM関数の機能です。

2.書式
SUM(数値 1,数値 2,...)
数値 1 , 数値 2,... 集計を計算する数値を指定します。引数は 1〜30 個まで指定できます。
※この書式に従って、関数の計算式を作ります。

3.解説
引数として指定した数値、論理値、数値を表す文字列が計算の対象となります。
詳細は、1 番目と 2 番目の使用例を参照してください。
引数が配列またはセル範囲の参照である場合、その中に含まれている数値だけが計算の対象となります。空白セル、論理値、文字列、エラー値は無視されます。
詳細は、3 番目の使用例を参照してください。
エラー値または数値に変換できない文字列を引数に指定すると、エラーになります。
※これがSUM関数の解説です。

分かりにくい解説ですが、だんだんとわかって来るようになります。関数の後につく括弧内を、その関数の「引数」といいます。引数に指定できるものは、実際の数値でも参照Cellでもどちらでも構わないのですが、このSUM関数では、通常は参照Cell範囲を指定します。
次の使用例がとても参考になります。

4.使用例
数式 説明 (計算結果)
=SUM(3, 2) 3 と 2 を合計します (5)
=SUM("5", 15, TRUE) 文字列は数値に変換され、論理値「TRUE」は数値「1」に変換されるため、5、15、1 の合計が求められます (21)
=SUM(A2:A4) A2からA4までの 3 つの数値を合計します
=SUM(A2:A4, 15) A2からA4までの 3 つの数値と 15 とを合計します

エディタなどにコピーして、一文字ずつ読んで下さい。
計算式の書式を間違えて書きますと、エラーになります。
関数名を間違えますと「#NAME?」のエラーが表示されます。
複雑な計算式を作る時は、エディタなどで間違いなく書いてから、目的のセルに貼り付けると良いと思います。

[参照範囲の書き方]

引数に使われる参照範囲の書き方をまとめておきます。
同じSheetのCellの場合。
(A1:A5) CellA1からA5までのCell範囲を相対参照します。
($A$1:$A$5) A1からA5のCellを絶対参照します。
(A1:B5) A1からB5までの10個のCellを相対参照します。
($A$1:$B$5) A1からB5までの10個のCellを絶対参照します。
(A1:A5,C1:C5) A1からA5までのCellと、C1からC5までのCellを相対参照します。
($A$1:$A$5,$C$1:$C$5) A1からA5までのCellとC1からC5までのCellを絶対参照します。
2つ以上の選択範囲を指定する場合は、[,](コンマ)で区切って並べます。
他のSheetのCellの場合。
(Sheet2!$A$1) Sheet2のCellA1を絶対参照します。
(Sheet1:Sheet3!$A$1) Sheet1からSheet3のCellA1を絶対参照します。
(Sheet名に空白が入っている場合はSheet名を’’で囲みます)
('Sheet 5'!$A$1)


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