Excelには本来の表計算機能の他に、簡易データベースとしての機能があります。数字の入力だけでは無く、色々な文字列を入力しなければなりません。そこで、Excelではいくつかの便利な入力方法を用意してあります。
[便利でないオートコンプリート]
Excelには、オートコンプリートと言って、同じ列で同じ文字列を簡単に入力出来る機能があります。これは、例えばサンプル住所録の[F2]のCellに「八王子市明神町」と入力して、次に[F3]のCellで「は」と入力すると、画面に「八王子市明神町」と言う候補が出てきます。ここで[Enter]キーを押すと、[F2]と同じ文字列が確定して「八王子市明神町」と言う文字列が[F3]のCellに入力されます。
これは、便利な機能なのですが、「は」と入力して出てくる候補文字はスクリーンリーダーで読みませんので、次に「八王子市西寺方町」と入力したい場合に視覚障害者は混乱を起こす可能性があります。
そこで、この機能は使えないように設定します。
1.[Alt],[T]キーを押してメニューバーの「ツール(T)」のプルダウンメニューを出します。
2.[上カーソル]キーを押して「オプション」を選択して[Enter]キーを押します。
3.[Ctrl+Tab]キーを押して「編集」のタブを開きます。
4.[Tab]キーを押して「オートコンプリートを使用する(C)」に行きます。初期値は「チェック」になっていますので、[Space]キーを押して「チェックなし」にします。
これで、オートコンプリート機能は使えなくなります。
1.同じ文字列を入力したいCellを[Shift+カーソル]キーで範囲選択します。
2.入力したい文字列を入力してIMEを確定します。
3.[Ctrl+Enter]キーを押すと、選択したCellの全部に同じ文字列が入力されます。
例えば、サンプル住所録のE列の「都道府県」に「東京都」を連続していくつも入力したい場合などに使います。
1.入力したいCellを選択して、[Alt+下カーソル]キーを押します。
2.同じ列に入力されている文字列のリストが出ますので、[上下カーソル]キーで選択して[Enter]キーを押します。
3.そのCellに選択したリストのデータが入力されます。
これは、出欠を入力する列で「出席」「欠席」の文字列を入力するときなどに使うと便利です。
また、住所録などで、同じ「市区町村」を入力するときも便利です。「サンプル住所録」では性別を入力するときに使います。
注意:PC-Talkerはこのリストを読みません。
[一つ上や一つ左のCellをコピーする]
上のCellのコピーは[Ctrl+D]キーのショートカットキーが便利です。
左のCellのコピーは[Ctrl+R]キーのショートカットキーが便利です。
文字列と書式がコピーされます。
1.コピーしたいCellを含めて、コピーしたい数だけのCellを範囲選択します。
2.[Alt],[E]キーを押してメニューバーの「編集(E)]のプルダウンメニューを出します。
3.[上下カーソル]キーで「フィル(I)」を選択して[右カーソル]キーでサブメニューを出します。
4.[上下カーソル]キーで、コピーしたい方向に従って、次のメニューを選択して[Enter]キーを押します。
「下方向へコピー」
「右方向へコピー」
「上方向へコピー」
「左方向へコピー」
選択したCellの数だけ、文字列と書式がコピーされます。
規則性のある文字列の連続入力には「オートフィル」機能を使うと便利です。
規則性のある文字列とは、例えば「月曜日」から「日曜日」までとか「1月」から「12月」まで、「第1回目」から「第20回目」などです。
これらは、数値ではなくて文字列ですが、連続データの入力が出来ます。
例として曜日の連続入力をしてみましょう。
1.[A1]のCellに「日曜日」、[A2]のCellに「月曜日」と入力します。2つのCellにデータを入力するのは、連続入力の規則性を設定するためです。
2.[A1]Cellを選択して、[shift]キーを押しながら[下カーソル]キーで[A14]までを範囲選択します。
3.[Alt],[E]キーを押してメニューバーの「編集(E)」のプルダウンメニューを開きます。
4.[下カーソル]キーで「フィル(I)」を選択して[右カーソル]キーで、サブメニューを開きます。
5.[上下カーソル]キーで「連続データの作成」を選択して[Enter]キーを押します。
6.連続入力のダイアログが開きますので、開いた直後に[Shift+Tab]キーを一度押します。「加算のラジオボタン」と言います。
7.[右カーソル]キーで「オートフィル」を選択します。
8.[Tab]キーで「OK」まで行き[Enter]キーを押します。
[A1]から[A14]までのCellに、2週間分の曜日が、日曜日、月曜日、火曜日、水曜日…と記入されます。
このとき書式もコピーされます。
色々と規則性のある文字列の入力を試してみて下さい。