3-3 「セルの書式設定」を使いこなして表の体裁を整えよう

Excelの表を作ったときに視覚障害者は、フォントの書体やサイズ、色、またはCellの中にきちんと収まっているかなど、余り関係がありませんので気を使いません。しかし、その表を印刷して晴眼者に見せる場合などがある場合は、表の体裁にも気を使わなくてはいけません。ここではCellの書式を使っての、体裁の整え方を書いておきます。

同じ列に項目名などを入力した場合に、文字数が少なくてCellの右側が大きく空いてしまったり、文字数が列幅より多いために全部の文字列が表示出来なかったりします。この場合は、一番多い文字列のCellをアクティブにして、メニューバーの「書式(O)」のプルダウンメニューの「列(C)」の「選択範囲に合わせる」を選択して[Enter]キーを押します。これで、その列の中で一番文字数が多いCellに列幅が合わせられるので、文字列の一部が表示されないと言う事はなくなります。しかし、そうすると文字数が少ないCellは右側がさらに大きく空くことになります。
例えば、[F]列に長い住所「横浜市保土ケ谷区東川島町」がある場合、長い文字の列に列幅を合わせると項目名の「市区町村」の体裁が悪くなります。そこで、書式設定を使って、少しでも、見た目の体裁が良くなるように設定します。

[均等割り付け]

1.[Ctrl+1]キーを押して、「セルの書式設定」ダイアログを開きます。

2.[Ctrl+Tab]キーを押して、「配置」のタブに移動します。

3.[Tab]キーを押して、「横位置(H)」に行きます。初期値は「左詰め」になっているので[上下カーソル]キーで、「均等割り付け (インデント)」を選択します。

4.[Tab]キーで「前後にスペースを入れる(E)」に行きます。初期値は、「チェックなし」になっているので、[Space]キーでチェックを入れます。

5.[Tab]キーで「OK」まで行き[Enter]キーを押します。
これで、Cellに入力された文字がCell内で均等に割り付けられます。

[文字列を縮小表示する]

同じ列に入力された文字列の内、一つのCellだけが1文字か2文字多い場合は、このCellの文字列を縮小表示します。

1.[Ctrl+1]キーで、「セルの書式設定」ダイアログを開きます。

2.[Ctrl+Tab]キーで「配置」のタブに移動します。

3.[Tab]キーで「縮小して全体を表示する(K)」に行きます。初期値は「チェックなし」になってるすので[Space]キーを押して「チェック」を入れます。

4.[Tab]キーで「OK」まで行き[Enter]キーを押します。
列幅に合わせて文字列のサイズが縮小されて、文字列の全部がCell内に表示されます。

Cellの幅の割には、文字数が多すぎると文字が小さくなりすぎて見にくかったり、印刷の時に、性能が低いプリンターなどでは、文字がつぶれて印刷されたりするので注意して下さい。
Cell幅より、文字数が1文字か2文字多い場合にこの設定をすると、文字の大きさも他のCellと大して変わらずにきれいにCell内に入ります。

[フォントの設定]

一つのCellの全体や入力されている文字列の一部の書体(フォント)や、サイズ、色などを変更出来ます。
書体(フォント)について少し説明をします。
一般的に、新聞や雑誌、単行本などの本文に使われているフォントは、「明朝体」と言います。このフォントは、漢字などの横線が細く、縦線が太いと言う特徴を持っています。
この他に新聞や、雑誌などの見出しに使われているフォントに「ゴシック体」という書体があります。この書体は、漢字などの文字の、縦横の線が少し太めで同じ太さであると言う特徴を持っています。
明朝体に比べて目立つので、見出し語や表題などに使われます。
文字サイズは、文庫本や新聞などのサイズは10.5ポイントが標準のようです。最近では、お年寄りが増えてきたので、標準の文字サイズが大きめになってゆく傾向があるようです。
文字サイズの1ポイントの大きさは、0.35ミリです。ですから10ポイントの文字の実際の大きさは、3.5ミリの正方形になります。(パソコンの画面上の大きさではありません、印刷したときの大きさです)。

Excelの初期設定では、「MS Pゴシック」の11ポイントに設定されています。
[MS]は、Microsoftの略で、「P」はプロポーショナルフォントの意味です。
プロポーショナルフォントとは、文字の幅を調節してあるフォントで、カンマ区切りなどで書かれた数字などが、見た目に均等に表示されるフォントです。
フォントの種類は、パソコンによって色々なフォントが沢山インストールされていますが、Excelなど他人にファイルを渡す事が多い場合は、[MS]の付いているマイクロソフトのフォントを指定しておくと良いと思います。

[Cellのフォント、サイズを変更する]

ここでは項目名の行のフォントを「ゴシック」にします。

1.変更したいCellを選択します。複数のCellを変更する場合は、Cellを範囲選択します。

2.[Ctrl+1]キーを押して、「セルの書式設定」ダイアログを開きます。

3.[Ctrl+Tab]キーを押して、「フォント」のタブに移動します。

4.[Tab]キーを押して、「フォント名(F)」に行きます。初期値は「MS Pゴシック」になっているので、[上下カーソル]キーでフォント名を選択します。

5.[Tab]キーを押して、「スタイル(O)」にゆきます。初期値は「標準」ですが、[上下カーソル]キーで「斜体」や「太字」などが選択できます。

6.[Tab]キーを押して、「サイズ(S)」に行きます。初期値は 11 ですが、[上下カーソル]キーで任意のサイズを選択します。

7.[Tab]キーで「OK」まで行き[Enter]キーを押します。

なお、サイズを大きくした場合は、必ずメニューバーの「書式(O)」の「行」サブメニューで「自動調整」を選択し、行の高さを調節して下さい。
ここでは「サンプル住所録」の項目名の行のフォントを「ゴシック」にしてみます。

[Excel全体のフォントを変更する]

1.[Alt],[T]キーを押してメニューバーの「ツール(T)]のプルダウンメニューを出します。

2.[上カーソル]キーを押して、「オプション」を選択して[Enter]キーを押します。「オプション設定」のダイアログが開きます。

3.[Ctrl+Tab]キーを押して、「全般」のタブに移動します。

4.[Tab]キーを押して、「サイズ(E)」に行きます。初期値は 11 になっています。[上下カーソル]キーでサイズを変更します。

5.[Tab]キーを押して、「標準フォント(A)」に行きます。

6.[上下カーソル]キーで「フォント名」を選択します。初期値では「MS Pゴシック」が選択されています。ここは、「MS P明朝」に変更してもよいかもしれません。

7.[Tab]キーで「OK」まで行き[Enter]キーを押します。

8.次のメッセージが出て、次回Excelを起動したときから設定が有効になります。
「Microsoft Excelの警告メッセージ 標準フォントの設定が変更されました。設定を有効にするには Excel を再起動する必要があります。 エンターは OK」

「セルの書式設定」のダイアログの中の「パターン」のタブでCellの背景の色や網掛けの設定が出来ます。
「罫線」の設定もこの「セルの書式設定」で行ないます。(印刷の章で書きます)。

これらの書式設定については、最終的に眼の見える方に確認してもらうと良いと思います。


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