3-5 入力規則(便利なリストの設定・IMEの自動オン)

入力に便利な「リスト」の設定は第2章でも書きましたが、今度は少し高度な設定方法を書いておきます。
都道府県名やお小遣い帳の科目名など、誤入力をすると項目別の集計が正確に出来ません。このリストを設定しておくと、項目名に誤入力がなくなり視覚障害者には大変便利です。

1.「リスト」を設定したいCellのあるSheetの使わないであろうと思われる列、たとえば[Z列]等にリストに設定したい文字列を入力します。
例えば、住所録の「都道府県」でよく使う都道府県名、あるいは全国の都道府県名をあらかじめ入力します。
[Z1]に「東京都」(「」は入力しません)、[Z2]に「神奈川県」、[Z3]に「埼玉県」、[Z4]に「山梨県」、等と入力して行きます。リストを書くCellは連続して、途中の行を空白にしないで下さい。

2.リストを設定したいCellを選択します。複数のCellに設定したい場合は、範囲選択をします。今回は、E2からE20までのCellを範囲指定します。

3.[Alt],[d]キーを押してメニューバーの「データ(D)」のプルダウンメニューを出します。

4.[上下カーソル]キーで「入力規則」を選択して[Enter]キーを押します。

5.「設定」のタブページが開くので、[Tab]キーを一度押して「入力値の種類(A)」に行きます。初期値は「すべての値」が選択されているので、[上下カーソル]キーで「リスト」を選択します。

6.[Tab]キーを一度押して「元の値(S):」に行きます。

7.ここに、文字列のリストを書いたCellの範囲を次のように入力します。
=$Z$1:$Z$50
Cell参照は、絶対参照にします。列の行は多めに設定しておくと、リストを追加したときにこの範囲指定を書き換えなくても良いので便利です。

8.[Tab]キーを押して「ドロップダウン リストから選択する(I)」にチェックが付いていることを確認します。

9.[Tab]キーを押して「OK」まで行き[Enter]キーを押します。

これで、リストを設定したCell(今回はA1からA20まで)のいずれかを選択して、[Alt+下カーソル]キーを押すと、Z列に書いたリスト項目が出てくるので、[上下カーソル]キーで入力したい文字列を選択して[Enter]キーを押すと、その文字列が入力されます。
これで、集計などに使う文字列の誤入力が防げます。

最後に、Z列を含めた使わない列を「非表示」にします。非表示にしておくと、誤ってリスト項目を書き換えたりするミスをなくします。
集計に使っているリスト項目を書き換えると、正確な集計が出来なくなります。

PC-Talkerは、この[Alt+下カーソル]キーで表示されるリストは読みません。このリストを読むスクリーンリーダーは、現在はXP-Readerとフォーカストークです。

[IMEの自動オン、オフ]

Cellにデータを入力して行くときに、Cellによって、1バイト文字にするか2バイト文字にするか(日本語のOFF/ON)を頻繁に選択しなければならない場合が多くあります。
その時に、2バイト文字を入力するCellが決まっている場合はそのCellを選択した時に、IMEを自動的にオンにすることが出来ます。

1.設定をしたいCellを選択します。複数Cellに設定する場合はCellを範囲選択します。

2.[Alt],[D]キーを押してメニューバーの「データ(D)」のプルダウンメニューを出します。

3.[上下カーソル]キーで「入力規則」を選択して[Enter]キーを押します。

4.[Ctrl+Tab]キーで「日本語入力」のタブを選択します。

5.[Tab]キーを一度押して「日本語入力(M)」に行きます。初期値は「コントロールなし」ですので、[下カーソル]キーで[ON]を選択します。日本語を入力しない場合は[OFF]を選択します。

6.[Tab]キーで「OK」まで行き[Enter]キーを押します。
これで、設定したCellを選択すると、IMEが自動的にONになり日本語が入力出来るようになります。


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