情報ボランティア障害者支援の会

Disabled Support Society

障害のある方へのサポート

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活動報告


2004. No.87 センターニュース

発行 八王子市心身障害者福祉センター

平成15年度 福祉講演会

八王子市では平成12年度から障害者向けのIT講習会を行ってきました。また当センターでも、平成15年度から障害別にIT講習会を行ってきました。このIT講習会の実践を通して、今後の展望を考えようと、講習会スタッフを担当していただいた情報ボランティアの会(八王子)の中島重則氏にお願いして、今年度の福祉講演会を企画しました。

「なぜ、パソコンボランティアが必要なのか」

〜障害別1丁講習会の実践と展望〜

講師 中島 重則 氏
情報ボランテイアの会(八王子)障碍者支援部会

情報機器の進歩、インターネットの普及などによって、私たちが手にすることが出来る情報は、ますます多くなっています。住民票の交付、図書の予約など公的機関の手続きも、自宅にいながら出来るようになってきました。障害を持つなどで、外出が困難な方にとっても、便利な環境になりつつあります。
ところが、それを利用する機器の操作は簡単ではあリません。機器が利用できるか、困難かで、新たな障壁が出現しています。八王子市では、このような情報格差(DigitalDivide)を少しでもなくそうと、障害別IT講習会を2001年度から実施し、私たちの会は、この実践に係わらせていただいています。

○視覚障害を持つ人のパソコン操作
主に画面情報を音声で読み上げるソフトを使います。メール送信やホームページ閲覧等、ほとんどの操作が可能です。

<必要とされる支援>

  • 購入時の周辺機器の接続やセットアップ(インターネット接続、メール設定など)
  • 音声出力出来るソフトなどの検証(特にマウス操作主体のもの)
  • 画面を拡大するための試行(弱視の場舎)
  • 情報及び機器のユニバーサルデザイン(ウェブページなどのアクセシビリティヘの働きかけ)
  • コミュニケーション(手に触れる等の動作は必ず声をかけてから行し\PC操作などは説明)


○上肢障害を持つ人のパソコン操作
キーボードやマウスの操作が困難であれば、まずWindows標準の「ユーザー補助」を試します。対応しきれない場舎には入力補助装置などを使います。入力の間題を解決すれば、ほとんどの市販のソフトや機器が利用できるようになります。ALSなどの重度障害の場舎にも任意に動く部位が一つあれば、多くの操作を行うことが出来る装置やソフトが開発されて来ています。

<必要とされる支援>/p>

  • 購入時の周辺機器の接続やセットアップ(入力インターフェイス、ユーザー補助など)
  • 画面操作ソフトなどの検証及びセットアップ(タッチパネル、画面スキャンなど)
  • 入力操作方法の改善、検証コミュニケーション(発語が困難な場舎の意思伝達など)

○知的障害を持つ人のパソコン操作
はじめに簡単なお絵かきソフトを利用し、マウス操作などを練習します。漢字が苦手な方のためにルビをふったり、ひらがな表示が可能なメールソフトやウェブブラウザを利用します。

<必要とされる支援>

  • 複雑な操作を必要としない装置やソフトウエア
  • コミュニケーション(ゆっくリと聞く、話すなど)

聴覚障害を持つ人、精神障害を持つ人のパソコン操作については標準的なソフトや機器を利用します。ただ、講習を進めるに当たっては、欠のことに配慮しています。
<聴覚>

  • 漢字にルビをふるなど、苦手とする分野への配慮
  • コミュニケーション(手話、要約筆記、筆談、磁気誘導ループ)

<精神>

  • 興味を持たれる分野などに配慮し、学習ス
    ピードを調整する
  • コミュニケーション(話を聞く)

なぜ、パソコンボランティアは必要なのでソようか?就労支援や生活の利便性、趣味の拡大、そして何よりも障害を持つ方の豊かなコミュニケーションを目指していると考えることができます。これらの活動は市機関などとの連携により様々な可能性を広げていきまチ。パソコンは「道具」に過ぎませんが、不可能を可能に変える「魔法の玉手箱」にもなります。それを生活に根ざしたものにしていくためには、さらに多くの方々の理解と協力が不可欠です。

(求められている活動>
講習会後のサポートとして、椙談の場の確呆、継続的な学習会、外出が困難な場舎などの個別サポートが必要でしょう。あわせて、ボランティアの募集、養成、学習会なども不可欠で行政機関との協働も必要です。
私たちは障害を持つ方たちと共に学びながら、より豊かで優しい地域を皆さんと一緒に作り上げていきたいと考えています。